土鈴は神々を招く楽器であり、魔除け、厄除けのお守りとして、民芸品のお土産として親しまれています。
その起源は太古にさかのぼり、なんと縄文時代の遺跡や古代の祭祀遺跡からも発見されているそうです。


今回、僕が入手した土鈴は当ブログでも度々話題にとりあげている、僕の大好きな謎の神「摩多羅神」のモノです。

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二面になっています。

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以下のリンクは摩多羅神についての僕のブログの過去記事です。

●2012年08月09日「遂に摩多羅神と出会う!」
●2011年04月14日「謎の神1摩多羅と摩多利」

いくら調べても来歴不明の謎の神様で、そのミステリアスな感じだけで、十分パワフルでマジカルな神様です。



国宝第一号の仏像「宝冠弥勒菩薩」で有名な京都、太秦「広隆寺」にこの摩多羅神を主神とする『牛祭り』というお祭りがありました。
今宮神社のやすらい祭と鞍馬の火祭と合わせて京都三大奇祭と言われていたそうです。

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牛祭の由来は、恵心僧都・源信(往生要集「死後の世界」を書いたお坊さん)がお告げを受け、摩多羅神を守護神にして厄よけ神事を行ったのが始まりだとか。

牛祭の内容はブキミな白面を付けた摩多羅神役が牛にまたがり、赤鬼と青鬼を従えて練り歩き、お堂の前で長い祭文を読み上げる。といったものだったそうですが、現在は諸事情で開催されていません。

牛祭りの様子は実際に体験したみうらじゅん氏の著書「とんまつりJAPAN」に詳しいのでソチラをご一読ください。←amazonへリンクしてます。

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この不気味な白顔の摩多羅神のお面はナント!画家、富岡鉄斎のデザインです。参加者にはこのお面が授与されていたそうです↓

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↑牛祭りで授与されていたお面。ヤフオクで5000円ぐらいで取引されています。


摩多羅神は天台宗において常行堂の後ろ戸に祀られる守護神として有名ですが、芸能の神としての一面も良く知られています。

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とくに絵画では
陽気に(不気味に)鼓を打ち鳴らし、丁禮多(ていれいた)・爾子多(にした)のニ童子をまい踊らせる姿が描かれていますし、談山神社には桃山時代の摩多羅神の能面が伝わっています。

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↑談山神社に伝わる「摩多羅神」のお面


牛祭りの主役の摩多羅神もお面を付けているので芸能の神としてのご利益を兼ね備えていたんでしょうか。

とにかくこのお祭りが見れないのは残念です。


摩多羅神は祟るとして恐れられてもいますが、富岡鉄斎デザインの摩多羅神はちょっと不気味だけどユーモラスなので傍らに置いていても大丈夫そうです。(キモカワと言ったら祟られそうなので控えます)

摩多羅神像は
岩手の毛越寺(33年に一度開帳)
島根の清水寺(収蔵庫開扉中は拝観可能)
があります。
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他に摩多羅神像が拝観できるお寺をご存知の方、是非ご一報くださいませ。