場所/寺名:鷲林寺(じゅうりんじ)

訪問日:2011年7月11日


所在と最寄り駅

兵庫県西宮市鷲林寺町4の8


お寺の特徴など
そらん荒神を祀るお寺。牛女伝説でも有名



拝観可能な仏像
護摩堂内陣より不動明王、荒神堂外よりそらん荒神坐像、宮殿の十一面観音(弘法大師作)は4月21日開帳


写真撮影不可



鷲林寺(じゅうりんじ)は牛女の都市伝説のお寺として全国的に有名です。


牛女のルーツは妖怪『件(くだん)』にあると思われますが、くだんが牛頭人身なのに対して、牛女は人頭牛身であるとされています。


件(くだん)とは
読んで字のごとく(人ベンに牛)半人半牛の妖怪。
牛から生まれ、人間の言葉を話すとされている。生まれて数日で死ぬが、その間に作物の豊凶や流行病、旱魃、戦争など重大なことに関して様々な予言をし、それは間違いなく起こる。とされています。

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このことから
「件の如し」という慣用句は「件(妖怪くだん)の予言が外れない様に、嘘偽りがないと言う意味である」という解釈もされたりします。



西宮の牛女伝説の発祥

鷲林寺のHPにも紹介されている話です。
『芦屋・西宮市一帯が空襲で壊滅したとき、ある牛の屠殺場も焼失した。そこには座敷牢があり、中には牛頭の娘が閉じ込められていたという噂があった。その焼け跡に“牛女”が現れ、そのことを地元の新聞が掲載した』


都市伝説としての牛女

上記の伝説から派生した都市伝説はメディアに乗り様々なバリエーションで拡散しました。
「鷲林寺の荒神堂のまわりを3周すると“牛女”が追いかけて来る」
「鷲林寺の八大龍王をを祀る洞穴に牛女が閉じ込められていて興味本位で忍び込んだ者が目撃したために発狂し、現在も精神病院に入っている」
「牛の鳴き声が聞こえてきても、決して振り返ってはならない。振り返るとそこには赤い半纏を着た牛頭の女性がいて、手に持った鎌で殺される」
などなどネットで検索したらいくらでも出てきます。



このような形で有名になった鷲林寺サイドは心霊スポットとして深夜に訪れるマナーの悪い参拝者?の喧噪で相当悩まされたようです。


鷲林寺の本堂を少し下ったところに八大龍王を祀る祠があります。
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この祠の後ろに今も牛女伝説で有名になった洞穴の入り口が見えます。

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荒神堂に祀られてある「そらん荒神像」は想像していたより小降りな感じだったけど、近作であり幼い子供を強くイメージさせる像容と相まってこれから信仰されて、どんどんパワフルになっていくような感じがしました。

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2014年5月20日追記〜

西宮に伝わる民話
『鷲の地主神とソランジン』

平安時代のある日、淳和天皇のお妃(*1)は夢枕に立った女神から甲山お寺を建てるようにお告げを受けました。

お妃は密かに宮中を抜け出し西宮まで来ると、広田神社の女神(*2)の導きによって、お寺を建立するのに相応しい場所を示されました。

お妃はとても喜び、空海の協力を得てその場所にお寺を建てました(*3)
そしてお妃自身も剃髪し「如意尼(にょいに)」と名乗り毎日修行に励みました。

ところが「西の山(*4)」のほうから大きな鷲が火の玉を吹きながら現れ寺を燃やそうと襲ってきました。
如意尼は『閼伽水(仏にお供えするための井戸水)』を運ばせ、鷲が吐く火に注ぎかけました。するとたちまち火は消え、大鷲は敵わないと見て西の山へと帰っていきました。

この大鷲は、西の山に古くから住んでいるソランジンという神が姿を変えたもので、仏法が広がり古くからの神である自身がないがしろにされるのを面白くないと思っていたのです。

如意尼はソラジンを荒神として祀り、怒りを鎮めなだめました。
それからというもの、もう大鷲がお寺を襲うことはなくなり、守護神となりました。とさ・・・・・


〜以上「西宮ふるさと民話」と「兵庫県立歴史博物館/ひょうご伝説紀行」より抜粋、再編集して少し盛ってみました。

注釈
*1淳和天皇のお妃=如意尼とは、淳和天皇第四妃「真名井御前」のこと。
*2廣田神社祭神、撞賢木厳魂天疎向津姫またの名瀬織津姫。
*3神呪寺の秘仏本尊如意輪観音は「如意尼」をモデルに空海が彫ったもの。
*4「西の山」こそココ「鷲林寺」のことで神呪寺とは対のような存在。

〜ここまで追記


お土産
鷲林寺オリジナル将棋の駒のお守り
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↑手彫りだそうです

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↑裏
かっちょいい〜〜〜1000円でした。