見学日:2014年6月24日

弥生時代の集落跡「田能遺跡」そばの住宅街にひっそりと観音堂があります。

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無住のお堂だと思われますが、境内は綺麗に掃かれており、地域の方々に大切にされていることがよくわかります。

境内の隅には『力石(ちからいし)』という恐竜のタマゴのような石が大小2つ安置されていました。


『力石』とは磐持石、盤持石などとも呼ばれ、大きな重たい石を持ち上げて力持ちを競う競技に使われた石、または競技そのものの事です。

明治時代まで日本全国でお祭りなどイベントの時に開催されていたポピュラーな行事だったようで、調査した先生によると日本各地に1万4000個もの力石が現存するそうです。

伏見稲荷の奥社や京都愛宕山の月峰寺などにある吉凶占いの「重軽石(おもかるいし)」や「大きな鏡餅を持ち上げて運ぶお祭り」も「力石」と通ずるモノがあります。

ちょこっと調べてみると『力石』そのものがまだ行事として継承されてる地方もあるようです。

・兵庫県姫路市大津区の天満神社の力持ち
・石川県小松市浜田町の菟橋神社の盤持大会

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↑小松市菟橋神社「西瓜祭(おすわさん)」の盤持ち大会
※写真は菟橋神社さんHPより転載


尼崎でも復活させたら面白いのになー


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で、↑これがオラが町、尼崎・田能観音堂の力石です。
表面に紫雲石・小三郎と彫られています。

「紫雲石」というのは花崗岩とか御影石などのような石の種類の名前なんでしょうか?
鉱物は守備範囲外なので全くわかりませんが、「小三郎」という固有名詞も合わせ持つ石なのできっと大切な石なんだろうな。とおもいます。

「紫雲石」についてwikiでちょっと調べてみると
〜法然そこに腰掛けていると、紫色の雲がたつのを見たという伝説を持つ石〜
という奇瑞譚が紹介されていました。

ほぉまた法然上人伝説!
先日、当ブログで『【尼崎】遊女塚〜法然上人と五人の遊女のお話(神崎新地〜モスリン橋)』という記事を書いたばかりなので「法然上人が島流しされる途中、田能を通ってこの石に腰掛けて休憩して神崎に出たのかもなー」なんて妄想が頭に浮かびます。

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↑尼崎・田能観音堂境内、小さいほうの力石