見仏記ファンの寺巡り by アマガスカル

見仏記で仏像にハマりました。 みうらじゅんといとうせいこうが好きです。 ただいま朱印帳をめくりながら以前、訪れたお寺の記録を書いています(旧タイトル:ジンジャー大将)

珍しい仏像

【京都国立博物館・特別展】「国宝鳥獣戯画と高山寺」展

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観覧日:2014年11月20日

京都国立博物館に「鳥獣戯画展」を観に行って来ました。

平日だったので博物館つでに、久しぶりに三十三間堂と紅葉が美しいであろう永観堂あたりも行ってみようかな?と久しぶりの京都中心部の散策を計画していました。
が!国立博物館についてみると入場まで「100分待ち」の長蛇の列。
入場してからメインの絵巻まではさらに「20分待ち」と看板が掲げられていました。
鳥獣戯画の人気をちょっとナメてました。

おとなしく列に並びスマホで時間潰し・・

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高山寺に伝わる「鳥獣戯画」は博物館に寄託され、お寺には複製品が展示されているのですが、快慶作の子犬があったり、ぽつんと一人でいる善哉童子が可愛かったり、鳥獣戯画が伝わるお寺らしいほのぼのした雰囲気でした。
鳥獣戯画を全面に押し出したグッズが豊富で僕も迷わず朱印帳をゲットしました。

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朱印自体は別の朱印帳に書いてもらったので、高山寺の朱印帳を今まさに使っています。

鳥獣戯画に登場するキャラクターはよく目にするので、新鮮さは期待していなかったのですが、巻物を全部みるとやっぱり違いますね。
巻物自体がちゃんと作品として成立していて、鳥獣戯画の世界に吸い込まれます。
楽しそうに遊ぶキャラクター達の躍動感が伝わってきて本当に目の前で動いているかの臨場感でした。

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お土産もたっぷり買いました。

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京都国立博物館・平常館の修復工事が完了してから始めての訪問だったので、宝誌和尚とも対面してきました。

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大阪・河内の金剛寺の巨大大日如来と不動明王がおわし、思わぬ対面に歓喜!
もしや?とおもったのですがやはりコチラにいらっしゃいましたか〜
降三世明王は奈良国立博物館にいらっしゃいます→ブログ記事

早く金剛寺で三尊揃った形で見たいもんです。


【大阪】勝鬘院:愛染まつり期間中に秘仏・大日大勝金剛尊がご開帳

見仏日:2014年7月1日

毎年6月30日〜7月2日は大阪四天王寺の勝鬘院で愛染まつりが開催され、期間中は愛染堂の特大愛染明王と多宝塔の摩訶不思議!十二臂の大日如来・大勝金剛がご開帳になっています。

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最寄り駅の『四天王寺前夕陽ケ丘(5番出口)』から境内の中までズラりと屋台が並び賑わっています。

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境内では憤怒の愛染明王とは対称的な別嬪さんな愛染娘さん達が浴衣姿に身を包み、微笑みながら愛嬌を振りまいていまいした。

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↑愛染明王

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↑愛染娘

とは言うもののこの優しげな表情の愛染娘達もあと何年かすると憤怒相を露にするんだろうな・・と思うのです。

そして多宝塔の扉が大きく開かれ、塔内に充満していた摩訶不思議!異形!十二臂の大日如来、最高仏尊としてあがめられている大勝金剛のパワーが一気に大阪の街に解き放たれておりました。
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愛染まつりは6月30日(夏越しの祓)から7月2日(半夏生)までなのですが、関西では半夏生の日にタコを食べます。
きっと愛染まつりの屋台のたこ焼き屋さんも大繁盛に違いないですね。

【夏至】第二十九候:菖蒲華(あやめはなさく)


2014年は6月26日〜30日

「菖蒲華」の最終日には大阪四天王寺の勝鬘院で大阪で一番早い夏祭り(夏越しの祓)『愛染まつり』が開催されます。

その名前が示す通り(特大)愛染明王と世にも珍しい十二臂の大日如来『大日大勝金剛尊』がご開帳となります(ブログ内の愛染まつりの記事へリンク)

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金剛薩埵から生じた愛染明王または如来荒神と同体などと言われていますがとにかくパワフルなお方であることは間違いないです。


大阪では愛染まつりを機に浴衣を着用するので「浴衣まつり」とも言われています。
愛染まつりを盛り上げるのは浴衣に身を包んだ『いずれ菖蒲か杜若』な愛染娘さん達。

なんとか本題に入れました(汗)


『いずれ菖蒲か杜若』
《意味》どちらもすぐれていて、選択に迷うことのたとえ。



女性に対してだけに使う言葉ではなのかもしれませんが、たいていの場合、単独の女性を褒めるのではなく、複数の女性を十把一絡げにして社交辞令する時に使います。

言われた女性の立場としてはどうなんでしょ?これ?

男の上から目線な感じも少しするし、選べないと言われてるんだし・・男ならハッキリしろよ!と・・

ここまで書いてフト自分の周囲の女性達を想い浮かべてみると、これがなんとまぁ不思議なことに『いずれ菖蒲か杜若』としか言い表せないんですよねー。ほんとに優れた女性ばかりで・・・

(なんて便利な言葉なんだ!)


菖蒲ってそんなに綺麗な花なんだ?いったいどんな花なんだろ?とまずはネットで検索。

ほう!この花、花札で見たことある!

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じゃ実際にナマのアヤメはどこに咲いてるんだろう?七十二候に登場するからもう見頃なはず。

尼崎で菖蒲か杜若のありそうな場所で最初に思いついたのが『西武庫公園』です。

そーいえばなんかそれっぽい草が生えてた池があった気がします。


さっそく西武庫公園まで自転車をカっ飛ばし、レンタル花壇で薔薇のお世話をしていた人に

「このあたりってあやめってありますかねー」と声をかけてみると

「そこにショウブ池あるけどな、ここらみーんなキショウブや」さらに「このへんやとタノウのノウギョウ公園がええで〜」

と教えてくれました。


キショウブとは???「多分黄色んでしょう」で、おじさんのアノ言い方からすると「あんまり価値がないのかな」とショウブ池に到着。

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↑ちゃんと手入れされた池です。これが西武庫公園内にあるショウブ池(正式名称なのかは→?)です。

草むらをようく観察していると・・・ちゃんと咲いてました花札のヤツ。
花札の意匠マンマの姿。

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白いのもありました。(これがカキツバタなんでしょうか?)


帰宅後「キショウブ」について調べてみると、外来帰化植物で在来種を駆逐する勢いで猛繁殖している危険なヤツでした。
環境省は「要注意外来生物」とし積極的防除の対象しています。


植物の生存競争って動物より大変なようで、大木が隣にいるとそれが倒れるまで十分な栄養も日照も得られなく成長できないから。と、橋谷さんだったか山岳ガイドの人が言ってました。

元々いた固有種が獰猛な外来種に圧され気味なのは生物も植物も一緒なんですね。

それでも健気に慎ましく花を咲かせていた「西武庫公園/ショウブ池」の菖蒲に「いずれ菖蒲か杜若」を感じました。そしてその菖蒲の中には外来のキショウブは含まれないのでした。


日を変えて
日本でも有名な尼崎が誇る史跡『田能遺跡』近くの『農業公園』に原付で出向きました。

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名前からしてちょっと堅苦しそうですが、24時間開放された普通の市民憩いの場でした。
園内にはバラ園、牡丹園、菖蒲園のほか梅林などもあります。

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今はバラと菖蒲が盛り。梅林は梅の実が落ちて甘い香りを漂わせていました。


本格的な植物園って行ったことはないけどこんな感じなのかな〜

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池の中に木道が敷いてあって、菖蒲を近くで観察できます。

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西武庫公園の慎ましい咲き方と違い、どの花も堂々と見事に咲き誇っています。

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なんでしょう。とても高貴な花にみえてきました。

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『いずれ菖蒲か杜若』には違いないのですが、上から目線ではなく高貴な存在の女性を菖蒲や杜若に例えた言葉なのでは?選べないというより、選べる立場ではない。って感じ。

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なので『いずれ菖蒲か杜若』と言われた女性の皆様、偉そうに上から目線で言ってるのではありません。
美しい女性達が居た時「僕ごときが選ぶなんて、とても、とても・・」という卑下した気持ちから発せられる賛辞なのであります。

そして女性を花に例えて讃える言葉には

『立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花』

というのもありますが、こちらはオンリー・ユーな表現ですね。

僕の知り合いにもまさにこの言葉がピッタリの女性がいます。


結局、本当にどれがアヤメかカキツバタかわかりませんでした。

このブログ記事の画像にアヤメとカキツバタの両方が写っていますか?

【尼崎】近松門左衛門の菩提寺〜広済寺:妙見菩薩と牛頭天王


見仏日:2014年6月12日

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広済寺は「曾根崎心中」で有名な浄瑠璃の脚本家、近松門左衛門(今で言うトコの野島伸司?)のお墓があり、尼崎市内において数少ない『国指定の史跡』となっていてオラが町(ケミカルタウン尼崎)の誇りでもあります。

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曾根崎心中がどんな話か全く知らないので少し調べてみたら、これがなかなかおもしろそう、せっかく近松門左衛門に縁のある尼崎に棲んでいるのんだし、一度ぐらいは(ダイジェスト版かなんかで)観てみたいもんです。
曾根崎心中の冒頭の一節で大阪に「太融寺」を起点とする「大坂三十三観音札所」という霊場めぐりがあったのも初めて知りました。

江戸時代の大阪庶民にとって西国三十三所の簡易版として親しまれた巡礼だたんでしょうけど、今は廃寺となっているお寺もあり、大坂三十三観音札所巡りもすっかり廃れてしまっているようですが復興の動きもありました。
僕も今度、挑戦してみようかな?

Wikipediaであらすじの解説では
『西国三十三所巡礼を終えたお初は、醤油屋の手代・徳兵衛と最後の観音巡礼の地「生玉の社」で偶然の再会をする。』と、なっていましたが、西国三十三所というのは大坂三十三観音札所のことなのでは?

関東にも坂東三十三所という札所巡りがあるそうですが、こちらは今も人気なんでしょうか?


そうそう、話を広済寺に戻します。

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↑カラスが本堂をお参りしてました。


その広済寺は『日蓮宗』のお寺で、なおかつ『妙見堂』を持ちます。

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日蓮宗で祀られる妙見菩薩は甲冑を身に付けて剣を構えピースサインの印を結ぶ「大将軍」に似た姿ですが、広済寺で祀られている秘仏「妙見大菩薩」は笏を持つ俗体の神像形です。
幸運なことに妙見堂内に昇殿させていただきましたが、御前立ちの像は日蓮宗式の「妙見菩薩」でした。

写真の転載厳禁とありましたので→『広済寺:妙見菩薩像』へのリンクです。

牛頭天王と諏訪大明神が脇を固めてるのも珍しいですね。
星の神様と方位の神様が一緒に祀られています。
※このブログ内の関連記事→『妙見菩薩と大将軍


広済寺は典型的に神仏分離をさせられたお寺で、真っすぐに境界線で区切られたような隣の敷地が『
久々知・須佐男神社』となっていました。
この
久々知須佐男神社』は神仏分離以前は『久々知妙見堂』だったようです。

久々知妙見堂の縁起として『天徳元年(957)多田満仲が矢文を放ち、それがこの地の石に当たり、北辰星(妙見宮)を祀った』という話が伝わっており、境内には『矢文石』が祀られています。

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↑矢文石


須佐男神社は祭神が当然のように須佐之男命とされていますが、実は明治の廃仏毀釈以前はほぼ『牛頭天王』を祭神として祀っていました(祇園祭で有名な京都・八坂神社もです)

久々知妙見宮は神仏分離以降、「妙見大菩薩と牛頭天王と諏訪大明神」を広済寺に移しているので、久々知須佐男神社と改号された後は素性不明な祭神が祀られているそうです。

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【奈良・秘仏開帳】女身・裸形白色阿弥陀〜れんじょう寺

見仏日:2014年5月29日

前回の奈良見仏旅行では運良く新薬師寺の『おたま地蔵』を拝観することができ、
今回の奈良では「なら国博」で開催中の「鎌倉の仏像」展には鶴岡八幡宮の『裸形弁財天』がやってきていました。

五月もそろそろ最終盤、ここ奈良で毎年、5月中にだけ開帳されている、ちょっと変わった阿弥陀如来がいます。

白色の身体で髪型は清凉寺式釈迦に似た編み目模様。
そして裸・・・さらに言うと性別が『女人』とハッキリしているそうです。


去年も開帳寺に訪れたんですが、女人裸形白色阿弥陀がご開帳中なので見仏させていただくことにしました(裸形好きです)

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開設のテープではお寺の縁起など色々とありましたが、「女性(にょしょう)を表している」という部分しか記憶に残っていません(汗)
続いてのご住職の開設で光明皇后をモデルにした像であること、雲座が薔薇のようと表現される見事なものであること。などの説明を受けました。

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なるほど・・・確かに薔薇のよう

そう言われると、女人・裸形!白色阿弥陀さまの乙女度が更にアップして見えてきました。

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そしてれんじょう寺の境内ではこれまた乙女チックな「オオヤマレンゲ」が可憐な花を咲かせていました。

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奈良の大峰山に自生し、蓮に似ていることから「オオヤマレンゲ」と名付けられたそうです。
近年ではシカの食害によって絶滅危惧種に指定されているそうです。
そういえば去年、八経ヶ岳に登った時、弥山から八経ヶ岳に向かう稜線の脇に獣避けネットが張り巡らされてました。
この花の保護だったんですね。
じゃ「レンゲ道」というのもこの「オオヤマレンゲ」の道ってことだったのかな?



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