Back From The Temple

見仏記で仏像にハマりました。 みうらじゅんといとうせいこうが好きです。 ただいま朱印帳をめくりながら以前、訪れたお寺の記録を書いています(旧タイトル:ジンジャー大将)

小野篁

【まんが日本昔ばなし】『子育て幽霊』〜六道の辻〜

空也上人ゆかりの『六波羅蜜寺』から小野篁ゆかりの『六道珍皇寺』に向かう途中にある「壇林皇后九相図絵」で有名な『西福寺』の斜め向かいの角『六道の辻』に『子育て幽霊飴』という飴屋さんが実在して現在も営業しています。

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この界隈は『六道まいり』というお祭の期間中、京都のお祭りにしては地味な盛り上がり方をしています。
お祭りの期間中『六道珍皇寺』では小野篁像、小野篁作の閻魔王像が開帳となり、『西林寺』では「壇林皇后九相図絵」が公開されているので、ぜひお出かけください。





以下、当ブログの六道・地獄に関する記事へのリンクです。


人は死んだらどうなる?長岳寺

全興寺:地獄は地域コミュニティ

子育て幽霊飴(六道まいり)

六道珍皇寺の小野箼と閻魔像

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まんが日本昔ばなし「子育て幽霊』

京都地蔵盆:智恵光院・六臂地蔵

京都地蔵盆引接寺・小野篁作閻魔王像

六観音が一堂に会する千本釈迦堂

【小満】第二十三候:紅花栄(べにはなさく)



【京都・六道参り】西福寺:壇林皇后九相図絵


その死骸を丸裸体にして肢体を整え香華を撒じ神符を焼き、屍鬼を祓い去った呉青秀は、やがて紙を展べ、丹青を按配しつつ、畢生の心血を注いで極彩色の写生を始めた

こうして十日目毎にかわって行く夫人の姿を、白骨になるまで約二十枚ほどこの絵巻物に写し止め・・・


↑「読むと発狂する」とまで言われる「日本三大奇書」の一つ、夢野久作の「ドグラ・マグラ」の一節です。



●西林寺蔵『壇林皇后九相図絵』

第一新死想
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第二肪脹想
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第三血塗想
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第四蓬乳想
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第五噉食想
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第六青瘀想
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第七白骨連想
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第八骨散想
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第九古墳想
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『九相図』は人が死んで肉体が朽ちていく様子を9つの場面に別けて描き、現世の肉体の不浄、無情を説いた仏教絵画です。

画題としてポピュラーなようで、大阪歴史博物館で開催されていた『幽霊・妖怪画大全集』展でも九相図が2点展示されていました。

この『壇林皇后九相図絵』の他にも有名なモノでは小野小町をモチーフにした九相図があります。

九相図に女性を描くのは修行の妨げとなる煩悩の対象を不浄なモノとして説き、美人や高貴な人物が朽ち果てる様子は無情を説くのに説得力があるからだとおもいます。


※小野小町といえば絶世の美女として名高いですが「六道参り」の最優秀助演男優「小野篁」の孫という説もあります。

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↑【参考-1】京都・安楽寺蔵「小野小町九相図」


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↑【参考-2】滋賀県・紫雲山聖衆来迎寺蔵『人道不浄相図』鎌倉時代


平安時代、六道参りが行われるこの周辺から清水寺にかけての一帯は『鳥辺野(とりべの)』という鳥葬地(屍を放置して鳥に食べさせる)でした。
九相図に描かれているような光景が実際に目の前で繰り広げられていたんでしょうね。



画像12

↑西福寺蔵・壇林皇后像



と、いうワケで今年も「六道参り」に参戦して来ました。
もちろんメインステージの『六道珍皇寺』や『六波羅蜜寺』もジックリ回り、主役の『閻魔さん』『小野篁』もシッカリ拝観してきましたが、メインステージの記事はこれまでに書いているので、今回はサブステージ?『西福寺』が所蔵する『壇林皇后九相図絵』について書きました。

『西福寺』は弘法大師開基で嵯峨天皇皇后と縁の深い由緒と歴史のあるお寺です。

有名な『子育て幽霊飴』の向かい、六道の辻にあるにも関わらず、空也上人や平清盛の『六波羅蜜寺』のお隣ということで、若干、部が悪いのか参拝者は少なく、お堂に昇殿している人もあまり居なかったので、上に画像で紹介した『壇林皇后九相図絵』の他、『六道十界図』、『十王図絵』など豊富な寺宝ゆっくり見ることができました。


拝観料も無料なので「六道参り」にお越しの際は、是非お賽銭を弾んでお立ち寄りください。



※記事冒頭の夢野久作の『ドグラ・マグラ』は著作権がフリーになっているので、ネット図書館『青空文庫』で無料で読むことができます。
その他ポッドキャストでも朗読版が無料で配信されています。


以下、当ブログの六道・地獄に関する記事へのリンクです。


人は死んだらどうなる?長岳寺

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人は死んだらどうなる?長岳寺「大地獄絵」より

地獄絵って単に残虐シーンを描いてるワケじゃなく、ちゃんと死生観やストーリーがあるんですね。

ストーリーは典拠にしている経典によってバリエーションが色々とあります。

僕が好きなのは平安時代中期の天台宗の僧。『恵心僧都(源信)』の『往生要集』を典拠にした地獄絵です。

奈良・長岳寺で11月に行われる「地獄絵開帳」の時にはご住職からめちゃ楽しい絵解きの法話を聞く事が出来ます。


で、人は死んだらどうなるかというと



1)死〜罪問間樹

まず、奪精鬼(だっせいき)、奪魂鬼(だっこんき)、縛魄鬼(ばっばくき)に『精・魂・魄』を抜かれることで死が確定するそうです。



ここから死後の行き先を決める旅に出ます。



奪精鬼、奪魂鬼、縛魄鬼に罪問間樹(ざいもんかんじゅ)の樹に連れて行かれます。

二本の樹の間を通らされ、通る人間が罪人だった場合、トゲが伸びて罪人の身体を突き刺すそうです。善人の場合は無事に通れます。

『おいずる(霊場を巡礼する人が朱印を貰う白装束)』を着ているとこの罪問間樹のトゲが刺さらないと言われます。




2)死出の山〜三途の川

その後、死出の山を超えて三途の川のほとりに出ます。


ここには衣領樹(えりょうじゅ)の樹があり奪衣婆(だつえば)と懸枝翁(けんねおう)がいます。

奪衣婆が死人から衣を奪い、懸枝翁はその衣を衣領樹の枝に放り投げます。
罪深い者の衣は高い枝に引っかかり、善良な者の衣は低い枝に引っかかり、ほどほどに生きた者の衣は中頃の枝に引っかかります。

※衣が引っかかった枝のしなり具合が違うという説もあります。

どの位置に衣が引っかかったかによって三途の川を渡る場所が決められます。

高い枝にかかった罪深い者は三途の川の上流で激流の場所『山水瀬』を渡って行かなければなりません。
中ほどの枝にかかったほどほどに生きた者は中流『江深淵』をボロボロの危険な渡し船で渡ります。
低い枝にかかった善人は川の下流で流れの穏やかな場所『有橋渡』を橋で無事に渡ることが出来ます。

このように渡る方法が三通りあるので『三途の川』と呼ばれます。

死んだ人に持たせる『六文銭』は三途の川の渡し船の代金、六地蔵に対するお賽銭などと言われています。



3)賽の河原

三途の川のほとりには賽の河原が見えます。
ここは親より先に死んだ子供が来る物悲しい場所です。

親より先に死ぬことは「親の恩に報いることが出来なかった」罪とされます。
なので賽の河原の子供達は「一重積んでは父のため、二重積んでは母のため」と恩返しをしようと河原の石を積み上げていきます。
ところが夜になると鬼が現れ積み上げた石を崩します。

親が死んだ子供に対していつまでも未練を残すと子供達はこの賽の河原から抜け出すことができなくなるそうです。
親が未練を断ち切り供養すると地蔵菩薩が現れて、賽の河原の子供を救うと言われています。



4)十王の裁判(六道輪廻)

6つの世界で死と転生を繰り返すという考え方が六道輪廻です。

六道の世界は

地獄道:悪人が転生する場所。ここは責め苦を受ける上、寿命が長いのでなかなか次の転生の機会がないので辛そう。

餓鬼道:意地汚くした者が転生する場所で、常に餓えに苦しまなければならない。

畜生道:不道徳だった者が転生する場所で、弱肉強食の世界で怯えなければならない。

修羅道:好戦的だった者が転生する場所で、常に戦闘を繰り返さなければならない。

人間道:今居る場所。喜びもあるけど、病や貧困など苦しみもある。

天道:良い行いをした者が転生する場所。穏やかだけどいつか死が訪れ転生しなければならない。

※地獄には犯した罪の種類や重さによって違う地獄が用意されていて、地獄での責め苦や寿命もそれぞれ違うそうです。




冥界の十王の内7人によって7日ごとに裁判を受けて死後の行き先(六道のいずれか)が決まります。

初・七日(しょなのか):秦広王
二・七日(ふたなのか):初江王
三・七日(みなのか ):宋帝王
四・七日(よなのか ):五官王
五・七日(いつなのか):閻魔王
六・七日(むなのか ):変成王
七・七日(なななのか):泰山府君(49日)

死後7日毎に追善供養の法要があるのはこのため。
遺族の供養によって良い場所に転生することも可能とされています。


7人に裁判官のあと
百箇日(ひゃっかにち):平等王
一周忌(いっしゅうき):都市王
三回忌(さんかいき ):五道転輪王

の三人による見直し裁判もあるので安心?



5)極楽往生(ゴール)

六道の中で「天道」は良い世界だそうですが、この世界も永遠ではなく死に対する恐怖があるそうです。
死ぬとまた裁判を受けて六道のウチのどこかの世界に転生しなければならないので。

というわけで最終目標(ゴール)は阿弥陀如来の居る極楽浄土へ行くこととなります。

これは死んだ時に阿弥陀如来が沢山の菩薩を引き連れて御自ら迎えに来てくれるそうです。

百箇日で観音菩薩と同じ蓮に乗せてもらう(一蓮托生)
一周忌に勢至菩薩の教えを受け、三回忌で阿弥陀西方極楽浄土へと旅立つそうです。

阿弥陀西方極楽浄土は永遠の世界で輪廻転生の恐怖からも解放されます。

メデタシ・メデタシ


以下、当ブログの六道・地獄に関する記事へのリンクです。


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京都地蔵盆:智恵光院・六臂地蔵

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六観音が一堂に会する千本釈迦堂

【小満】第二十三候:紅花栄(べにはなさく)

【京都地蔵盆-02:智恵光院】摩訶不思議・六臂地蔵

地蔵盆にだけ開帳される秘仏でどうしても拝観しておきたいのが智恵光院の小野篁作『六臂地蔵』


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↑ネットで画像をみつけたので



寺名:智恵光院

訪問日:2012年8月23日

所在


拝観可能な仏像

六臂地蔵(地蔵盆にだけ開帳の秘仏)

撮影不可



感想

TV見仏記でその異形の地蔵を観た時にはド肝を抜かれました。

親しみを込めて「おじぞうさん」なんて気軽には呼べないような摩訶不思議な六臂の地蔵
菩薩。

6本の腕は六道を象徴してるそうですが、呪術めいたパワーを感じずにはいられません。


どうしても観たいと思って初めて「智恵光院」に訪れたのが去年(2011年)。


「智恵光院」は檀家さんと共にある地域に密着したお寺なので、開帳に関して積極的ではないですが、マナーを守っていれば快く迎えてもらえます。

檀家さんの焼香が終わると、一般の参加者も昇殿して焼香と間近での拝観ができます。

地蔵菩薩という地味な印象の仏像のためか(
智恵光院の地蔵菩薩は腕が6本もあるド派手な姿だけど)メディアで紹介される機会もあまりありません。
なので
世にも珍しい仏像の開帳にもかかわらず、去年は檀家さんが20名ほど、一般の参加者が5名ほどしか参列してませんでした。

マニアックな仏像ってことになるんでしょうね。

それだけにこの開帳に居合わせた一般参加者はみんなコアな見仏記マニアってことで、拝観の後、仏像談義で多いに盛り上がります。
僕は去年、山科のSさんという人と10年来の親友か!?ってな勢いで盛り上がり意気投合しました。


そして今年2012年・地蔵盆、2度目となる智恵光院。

去年同様に檀家さんが20名ほど・・一般参列は10名ぐらいに増えていました。
それでもやっぱり・・「摩訶不思議・六臂地蔵
」の開帳にしては少ない気もしますが、この雰囲気も大切に思えます。

一般参加者の中には「六臂地蔵」を撮影しようとして注意される人も・・
その後も懲りずに盗撮してたようだけど、こういう人が増えると一般人の参加を断られるって事態にもなりかねないので、マナーは守りたいとおもいます。


法要の途中から雲行きが怪しくなり、雷も鳴り始め、ついにはポツポツと・・

「地蔵盆の今日は福田寺で龍神さまが開帳になってるんだ・・」(新TV見仏記Vol.3)と思うと、なんだか嬉しくなってきました。


今年も焼香と六臂地蔵との再会に大満足!


あれ?そういえば・・・去年お会いして意気投合した山科のSさん今年は来てないなー。
と思っていたら、雨の降る境内を「Tさ〜ん」と僕の名前を親しげに呼びながら嬉しそうに近寄ってくるSさんの姿が・・

無事Sさんとも再会を果たしました。


僕が拝観の後、話をしていたAさんもSさんが滋賀県で意気投合して知り合いになったという事が判明!!
3人で大いに盛り上がりました。

お互いに連絡先を交換しようか?という話にもなったけど、またドコかで偶然出会うのも楽しいし、そして何よりも「また来年智恵光院で再会しよう」ということになり、日の暮れた智恵光院を後にしました。


摩訶不思議な六臂地蔵が取りなす不思議な縁だな〜。また来年の地蔵盆が楽しみ。


拝観料:境内無料

御朱印
ありません。

お土産

六臂地蔵が取りなす不思議な縁

【京都地蔵盆-01:引接寺】千本えんま堂・小野篁作閻魔王像

智恵光院の小野篁作『六臂地蔵』の開帳が夕方からなので、先に閻魔さまにお参りすることにしました。

六道珍皇寺に小野篁作と伝わる閻魔像は先日(8月9日)に拝観済みなので、今回は引接寺(千本えんま堂)に行くことにしました。

本堂は正面からではなく向かって左手から昇殿するようになっています。
お寺の方の話によれば「お白州(裁判所)」形式になっているそうです。
本堂、正面にはすだれで隠されているものの、一目でそれと判る存在感!閻魔さまがおわします。

お寺の方から京都の風葬の習慣や小野篁の伝説と寺伝などの説明を聞いたあと、すだれがあがりご開帳となります。
内陣に入って焼香して近くから迫力の閻魔王を拝観!

閻魔三尊形式で左右には司命・司録が従っています。


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閻魔王は十王のうち五・七日の裁判を担当します。



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司録尊は供生神といわれ、人間が生まれた時に毛穴に入って、その人の一生の行いを記録するそうです。


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司命尊はえんま帳に記録された行いを閻魔王に証拠して報告する係だそうです。


本堂の脇には引接寺はもちろん、あの世と関わりの深い小野篁像が安置してありました。

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寺名:引接寺

訪問日:2012年8月23日

所在


拝観可能な仏像

閻魔王
司録尊
司命尊
小野篁像

撮影の許可をいただきました。


拝観料:境内無料

御朱印
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