Back From The Temple

見仏記で仏像にハマりました。 みうらじゅんといとうせいこうが好きです。 ただいま朱印帳をめくりながら以前、訪れたお寺の記録を書いています(旧タイトル:ジンジャー大将)

異形

【夏至】第二十九候:菖蒲華(あやめはなさく)


2014年は6月26日〜30日

「菖蒲華」の最終日には大阪四天王寺の勝鬘院で大阪で一番早い夏祭り(夏越しの祓)『愛染まつり』が開催されます。

その名前が示す通り(特大)愛染明王と世にも珍しい十二臂の大日如来『大日大勝金剛尊』がご開帳となります(ブログ内の愛染まつりの記事へリンク)

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金剛薩埵から生じた愛染明王または如来荒神と同体などと言われていますがとにかくパワフルなお方であることは間違いないです。


大阪では愛染まつりを機に浴衣を着用するので「浴衣まつり」とも言われています。
愛染まつりを盛り上げるのは浴衣に身を包んだ『いずれ菖蒲か杜若』な愛染娘さん達。

なんとか本題に入れました(汗)


『いずれ菖蒲か杜若』
《意味》どちらもすぐれていて、選択に迷うことのたとえ。



女性に対してだけに使う言葉ではなのかもしれませんが、たいていの場合、単独の女性を褒めるのではなく、複数の女性を十把一絡げにして社交辞令する時に使います。

言われた女性の立場としてはどうなんでしょ?これ?

男の上から目線な感じも少しするし、選べないと言われてるんだし・・男ならハッキリしろよ!と・・

ここまで書いてフト自分の周囲の女性達を想い浮かべてみると、これがなんとまぁ不思議なことに『いずれ菖蒲か杜若』としか言い表せないんですよねー。ほんとに優れた女性ばかりで・・・

(なんて便利な言葉なんだ!)


菖蒲ってそんなに綺麗な花なんだ?いったいどんな花なんだろ?とまずはネットで検索。

ほう!この花、花札で見たことある!

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じゃ実際にナマのアヤメはどこに咲いてるんだろう?七十二候に登場するからもう見頃なはず。

尼崎で菖蒲か杜若のありそうな場所で最初に思いついたのが『西武庫公園』です。

そーいえばなんかそれっぽい草が生えてた池があった気がします。


さっそく西武庫公園まで自転車をカっ飛ばし、レンタル花壇で薔薇のお世話をしていた人に

「このあたりってあやめってありますかねー」と声をかけてみると

「そこにショウブ池あるけどな、ここらみーんなキショウブや」さらに「このへんやとタノウのノウギョウ公園がええで〜」

と教えてくれました。


キショウブとは???「多分黄色んでしょう」で、おじさんのアノ言い方からすると「あんまり価値がないのかな」とショウブ池に到着。

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↑ちゃんと手入れされた池です。これが西武庫公園内にあるショウブ池(正式名称なのかは→?)です。

草むらをようく観察していると・・・ちゃんと咲いてました花札のヤツ。
花札の意匠マンマの姿。

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白いのもありました。(これがカキツバタなんでしょうか?)


帰宅後「キショウブ」について調べてみると、外来帰化植物で在来種を駆逐する勢いで猛繁殖している危険なヤツでした。
環境省は「要注意外来生物」とし積極的防除の対象しています。


植物の生存競争って動物より大変なようで、大木が隣にいるとそれが倒れるまで十分な栄養も日照も得られなく成長できないから。と、橋谷さんだったか山岳ガイドの人が言ってました。

元々いた固有種が獰猛な外来種に圧され気味なのは生物も植物も一緒なんですね。

それでも健気に慎ましく花を咲かせていた「西武庫公園/ショウブ池」の菖蒲に「いずれ菖蒲か杜若」を感じました。そしてその菖蒲の中には外来のキショウブは含まれないのでした。


日を変えて
日本でも有名な尼崎が誇る史跡『田能遺跡』近くの『農業公園』に原付で出向きました。

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名前からしてちょっと堅苦しそうですが、24時間開放された普通の市民憩いの場でした。
園内にはバラ園、牡丹園、菖蒲園のほか梅林などもあります。

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今はバラと菖蒲が盛り。梅林は梅の実が落ちて甘い香りを漂わせていました。


本格的な植物園って行ったことはないけどこんな感じなのかな〜

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池の中に木道が敷いてあって、菖蒲を近くで観察できます。

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西武庫公園の慎ましい咲き方と違い、どの花も堂々と見事に咲き誇っています。

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なんでしょう。とても高貴な花にみえてきました。

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『いずれ菖蒲か杜若』には違いないのですが、上から目線ではなく高貴な存在の女性を菖蒲や杜若に例えた言葉なのでは?選べないというより、選べる立場ではない。って感じ。

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なので『いずれ菖蒲か杜若』と言われた女性の皆様、偉そうに上から目線で言ってるのではありません。
美しい女性達が居た時「僕ごときが選ぶなんて、とても、とても・・」という卑下した気持ちから発せられる賛辞なのであります。

そして女性を花に例えて讃える言葉には

『立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花』

というのもありますが、こちらはオンリー・ユーな表現ですね。

僕の知り合いにもまさにこの言葉がピッタリの女性がいます。


結局、本当にどれがアヤメかカキツバタかわかりませんでした。

このブログ記事の画像にアヤメとカキツバタの両方が写っていますか?

【大阪市立美術館・特別展】山の神仏〜吉野・熊野・高野

見学日:2014年6月1日

会期も最終日、やっと行ってきました。

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ある意味「邪道!?」とも思えるほど贅沢過ぎる大イベントです。

展示ブースも吉野ブース、熊野ブース、高野ブースとそれぞれ分かれていてまるでフェスの会場。

それぞれのブースでトリを勤めるスター仏像が来場していますが、マニアックなファン向けの仏像もメンツに加わっています。

吉野桜本坊の役行者のお母さん像『役行者母公椅像』なんて吉野に行っても滅多に見れない秘仏なのに・・「大阪見物に来ました〜」って気軽な感じでチョコンと腰掛けてました。
その横では役行者がガッチリと合掌して呪文を唱えてました!すっげーカッコ良かったです。

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高野山からは収蔵庫にいらっしゃる、普通なら秘仏中の秘仏。「両頭愛染明王」が参上!

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僕の地元あたりでは門戸厄神さんの本尊が『両頭愛染』なんですが、御影のイラストで姿を想像するだけが精一杯の絶対秘仏。
理由はこの画像を観ていただくと解るとおもいますが、二面じゃなくシャム双生児のように頭が2つある両頭。1つは愛染明王の頭で、もう1つは不動明王の頭。異形でパワフル!
でも高野山の霊宝館では実は意外に気軽で通常展示されています。


そして熊野からは神像群。
神像って見慣れてないせいなんなのか・・神様だからなのか不気味さがあります。


実際に観てみると、贅沢なイベントなのは間違いないですが、どの山域もほんの・ほんのさわり。といった感じで、やっぱり堪能するには実際に足を運ばないとだめですね。

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【奈良・秘仏開帳】女身・裸形白色阿弥陀〜れんじょう寺

見仏日:2014年5月29日

前回の奈良見仏旅行では運良く新薬師寺の『おたま地蔵』を拝観することができ、
今回の奈良では「なら国博」で開催中の「鎌倉の仏像」展には鶴岡八幡宮の『裸形弁財天』がやってきていました。

五月もそろそろ最終盤、ここ奈良で毎年、5月中にだけ開帳されている、ちょっと変わった阿弥陀如来がいます。

白色の身体で髪型は清凉寺式釈迦に似た編み目模様。
そして裸・・・さらに言うと性別が『女人』とハッキリしているそうです。


去年も開帳寺に訪れたんですが、女人裸形白色阿弥陀がご開帳中なので見仏させていただくことにしました(裸形好きです)

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開設のテープではお寺の縁起など色々とありましたが、「女性(にょしょう)を表している」という部分しか記憶に残っていません(汗)
続いてのご住職の開設で光明皇后をモデルにした像であること、雲座が薔薇のようと表現される見事なものであること。などの説明を受けました。

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なるほど・・・確かに薔薇のよう

そう言われると、女人・裸形!白色阿弥陀さまの乙女度が更にアップして見えてきました。

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そしてれんじょう寺の境内ではこれまた乙女チックな「オオヤマレンゲ」が可憐な花を咲かせていました。

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奈良の大峰山に自生し、蓮に似ていることから「オオヤマレンゲ」と名付けられたそうです。
近年ではシカの食害によって絶滅危惧種に指定されているそうです。
そういえば去年、八経ヶ岳に登った時、弥山から八経ヶ岳に向かう稜線の脇に獣避けネットが張り巡らされてました。
この花の保護だったんですね。
じゃ「レンゲ道」というのもこの「オオヤマレンゲ」の道ってことだったのかな?



【京都】福田寺:雨乞いの神、龍神開帳

見仏日:2013年8月23日

8月23日。年に一度、福田寺の龍神堂の扉が開く日です。

TV見仏記で福田寺の龍神像の奇怪な姿に魅せられ、是非生で拝観したいとおもっていました。

真夏の日差しが照りつける中、阪急「東向日駅」からiPhoneの案内に従ってテクテク歩きます。
珍しい仏像の開帳の日にも関わらず福田寺までの道中、のぼりも看板も見かけません。

とくに宣伝して拝観者を募るワケでもなく、地域に密着して檀家さんに支えられてるお寺なんですね。

拝観の受付も拝観料もなく、龍神のおわす龍神堂も開け放たれたままです。

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うわっ!お楽しみの『龍神様』が丸見えやん!もったいない・・。

視線をそらして本堂にいらっしゃった方に声をかけ、伏せ目がちにしながらそっと昇殿しました。


『はぁ〜この方が・・・龍神様』

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龍の姿をしているワケでもなく、頭上に龍を戴くワケでもなく・・膝をついて一心に祈るように合掌しています。本当に奇怪な姿です。

やはり夜叉神に似ている気がします。

【過去記事】→東寺と六波羅蜜寺の夜叉神たち


生で見ると握り合わさった両手の力の入り具合がモノ凄く、飛び出した両目は力が入り過ぎているせい?と、思えてきます。(後補だそうですが・・)


この方とにかく雨乞いのパワーが凄まじいので、どんなお姿であったとして『龍神』と呼ぶのがふさわしいとおもいます。


去年も同じ日に福田寺から離れた智恵光院で秘仏六臂地蔵を拝観している時に突然、夕立がり「あ〜龍神様が開帳になってるからか〜」と思ったもんですが、この日も夕方から見事に雨が降りました。

お堂の左に目を向けると・・これまた珍しい『摩耶夫人像』

今まさに!摩耶夫人の右脇から釈迦が誕生した瞬間の像です。

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↑福田寺の摩耶夫人像:右脇にお釈迦様がぶら下がっています。

思っていたよりもかなり小さい像でしたが、近くから拝観できるのでお釈迦様の姿もハッキリ見ることができました。

ちょうど本堂にご住職の姿が見えたので、御朱印をお願いすると本堂の仏像も拝観するようにすすめていただいたので、遠慮なく昇殿させていただきました。

朱印をいただいた後、龍神について質問すると、お忙しい中とても丁寧な説明をしていただきました。

ご住職のお話によると龍神は元は「にらんば」か「びらんば」(兜跋毘沙門天を支える地天女の両脇の人)のどちらかではないか。ということでした。

言われてみればそんな気がしてきました。

このように珍しい仏像が拝観できる『福田寺』是非、来年は足を運んでお賽銭を弾んでください。


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↑東京国立博物館蔵の摩耶夫人:右のたもとからお釈迦様が飛び出しています。




23日〜24日にかけて豪雨被害に遭われた地域の皆様には、謹んでお見舞い申し上げます。ふざけているワケではありません。念のため




【福田寺】
住所:京都市南区久世殿城町5番地
電話:075-931-2887
拝観可能な仏像:龍神像、摩耶夫人像(毎年:8/23の他、事前予約で拝観可)
拝観料:志納


●御朱印
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【奈良】五劫院:五劫思惟阿弥陀坐像

見仏日:2013年8月2日

アフロヘアーの仏像として親しまれている「五劫思惟阿弥陀」

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このユニークな仏像を本尊とする「五劫院」は東大寺・大仏殿の北「正倉院」の更に北にあります。

東大寺、興福寺を中心とするこの辺りは名仏目白押しな仏ゾーンなので、見なければならない仏像があまりにも多すぎて、これまで「五劫院」に足を運んだことはありませんでした。

しかし今回は『五劫思惟阿弥陀坐像』開帳が目当てなので、他の仏像には目もくれず「五劫院」へまっしぐら。と、思いましたが、まずは「猿沢池」横の蕎麦屋で腹ごしらえです。

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冷やしソバ定食を平らげて出発!
仏像界のスーパースター「阿修羅」がおわす「興福寺」の境内をショートカット。
仏師界の二大巨頭、運慶・快慶作の仁王に睨まれながら東大寺・南大門を足早にくぐり抜け、観光客で賑わう大仏殿を素通りして正倉院のほうへと突き進みました。


この辺りまで来ると東大寺の喧騒はどこへやら。

シカ達もせんべいをネダりにまとわり着いて来ることもなく、ノンビリと芝生を食んでいます。

ひっそりと静まり返った境内は時間の流れまで遅くなったような感覚です。

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住宅街を通り「五劫院」の門前に来ました。

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有名な仏像があるお寺なので、もっと賑やかな大きいお寺とおもっていましたが、ひなびた雰囲気でとても気分が落ち着き、さらに時間が緩やかに流れる感じがします。


「五劫思惟阿弥陀」の『劫』とは時間の単位です。
『劫』の概念は諸説ありますが、「五劫院」のパンフレットから引用すると・・・

『四十里立方の大盤石に天女が三年に一度舞い降り、羽衣で一摩でし、盤石が無くなるまで』と解説されています。

つまり

『約160立方キロメートルの巨大な岩があって、3年に1回だけ天女が布で一撫でします。その摩擦で巨大な岩がすり減って無くなるまで』が、一劫。
「五劫」はそれの5倍・・なので、もう永遠ってことですね。

「五劫思惟阿弥陀」のユニークなアフロヘアーのお姿は、阿弥陀が『気が遠くなるほど永い』なんて言葉も出ないほどの長い長い思惟の時間を螺髪で表現しているわけです。

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と、やたら長い前置きでしたが・・

「五劫院」の「五劫思惟阿弥陀坐像」は毎年8月1日〜12日の間、一般公開されていますが、その他の期間でも予約をすれば拝観できるようです。

拝観料は志納ということなので、どうかお賽銭を弾んでください。

僕も受付で朱印帳を預け、本堂に入り下陣から「五劫思惟阿弥陀坐像」と対峙しました。
想像していたより小さく感じました。

やはりアフロがあまりにもインパクト大で目を奪われてしまうのですが、他にも通肩(両肩とも袖を通している)だったり、手が衣の中に隠れ定印が見えていないのも、一般的な阿弥陀如来像とは違う、「五劫院」の「五劫思惟阿弥陀坐像」像の特徴です。

とても偉い偉い如来さまではありますが、ユニークな髪型とふくよかなご尊顔は親しみを感じてしまいますね。

とてもカワウイです。



「五劫院」のパンフレットによると、この「五劫思惟阿弥陀」のデザインは下半身が金色に輝くことで有名な浄土教の高祖「善導大師」によるものだそうです。


「五劫思惟阿弥陀」は永い永い時を思惟されているのにもかかわらず、お多福のようにふくよかなお姿が一般的ですが、中にはこの永い時を衰弱で表現している「五劫思惟阿弥陀」もあります。

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参考:尾田武雄先生著『とやまの石仏たち』より、富山市水橋の広浜家の仏壇に安置さる阿弥陀如来像。



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参考:碧南市応仁寺所蔵


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2016年6月6日(---破線内)追記
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日本石仏協会理事、富山県文化財保護指導委員、富山県公文書館古文書調査員などの要職を勤められる尾田武雄先生による富山の石仏に関する集大成であり、入門から意外な真実まで網羅されています。

尾田先生と電話でお話させていただく機会に恵まれ、富山は「五劫思惟阿弥陀」が篤く信仰されている土地だということや、現在、学会で議論されている「五劫思惟阿弥陀」に関する話題など非常に意義深いお話を伺うことができました。

さらに当ブログ内での『とやまの石仏たち(尾田武雄著)』からの引用と参考図版の転載に関しても快諾していただきました。

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【五劫院】
住所:奈良市北御門町24
電話:0742-22-7694
拝観可能な仏像:五劫思惟阿弥陀坐像(毎年:8/1〜8/12)
拝観料:志納

●おみやげ
絵はがき:1枚100円

●御朱印

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